東映とテレビ朝日は7月17日、テレビシリーズ「仮面ライダー」の新作「仮面ライダーゼロワン」(9月1日に放送開始予定)を発表した。AI(人工知能)を作品のテーマに据えており、AIが普及した未来の日本が舞台。主人公はAIを搭載したロボットを開発する企業の社長で、自社のロボがテロリストに悪用されたため、ライダーに変身して戦うストーリーになるとしている。作品の監修は、国立情報学研究所(NII)が担当する。
NIIが民間企業の作品制作に協力するのは初。複数の研究者がグループを結成し、東映・テレ朝がストーリーや台本を考案する際に、技術的観点から助言していくという。
作品のあらすじは?
主人公は“AI社長”の飛電或人(ひでん・あると)。当初はお笑い芸人として活動していたが、お笑い業界でもAI活用が進み、なかなか人気が出なかった。そんなある時、AIロボット「ヒューマギア」を開発する「飛電インテリジェンス」の創業社長である祖父が急死。祖父の遺言によって、社長の座を継ぐことになる。
だが未来の日本では、「人類よりもAIの方が優れている」と信じ、ヒューマギアを暴走させて人類を滅ぼそうとするテロリスト「滅亡迅雷.net」が暗躍。この組織から人類を守るため、飛電或人は、飛電インテリジェンスの社長だけが使える変身グッズ「ゼロワンドライバー」を手に取り、仮面ライダーに変身して悪と戦う――というのがあらすじだ。
作品を見た子ども達に「AIが普及すると、社会はどう変わるのか」「どうすればAIと共存できるのか」「AI時代の“悪”とは何か」といったテーマを考えさせる狙いがあり、こうした内容にするとしている。
AIの要素を随所に取り入れる
主人公以外のキャラクター設定などにも、AIやテクノロジーの要素を取り入れる。主人公の秘書を務めるロボットは、仕事をする中でさまざまなことを学習し、行動パターンを変化させる。悪役がヒューマギアを操る際は、「人間を攻撃対象とするデータを操作し、悪の行動倫理に書き換える」という手口を使う。
この他、飛電インテリジェンスで副社長を務める人物が主人公を敵視し、ひそかに失脚を望むといった、AIビジネスを取り巻く人間模様も描く。
発表を受け、Twitter上では「デジタル信号の“01”と『令和』をかけているのか」「攻めているテーマで楽しみ」「(AIに)芸人の仕事を奪われた主人公がAI社長になるのか」など、ストーリー設定に驚く声や、放送開始を心待ちにする声が投稿されている。
「ストーリーそのものを楽しんで」
NIIは「作品を通じて、視聴者に情報学の面白さを知ってもらいたい。作品をつくる上でのアドバイスはするが、あくまでドラマ。AIなどの技術に興味を持ってもらえるとうれしいが、今回はフィクションも含んでいるので、ストーリーそのものを楽しんでほしい」としている。
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https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1907/17/news113.html
2019-07-17 06:25:00Z
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