今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。
普段は育児や仕事に追われ、忙しく過ごすママたちにとって、年末年始の休みは家でゆっくりできる貴重な期間と言える。しかし、「この時期しか長期休みを取れないから」「親戚一同が集まるから」という理由で、年末年始に帰省をしなければならない人も多いようだ。子どもを介して知り合った「ママ友」という存在は、それまでの生まれや育ちというような、相手のパーソナルな部分について知らないまま付き合っているケースも多い。帰省一つとっても、それぞれの環境の違いや価値観の違いがあらわになりやすく、それがLINEのグループチャット上で“地雷”の話題になることもあるようだ。
「離婚した親と会いたくない……」帰省しない理由が同じママ友
琴美さん(仮名)は、都内にある認証保育園に3歳になる娘を預けている。彼女は、年明けにママ友と保育園で会った時、帰省の話題が上がるのが気がかりだったと語る。
「うちは両親が離婚していて、おまけに、母には年下の恋人もいます。私より新しい生活の方が大事らしく、出産祝いもおむつを数パックもらっただけ。正直、会いたくないし、山陰地方なので交通の便が不自由なこともあり、娘が生まれた時に一度しか帰省していません。夫の実家も東北の辺ぴな地域にあり、住まいも古い家屋で幼児には不便なことが多く、帰省を見送っています。なので、ママ友から『帰省どうだった?』と聞かれるのが億劫。『帰省しなかったよ』と一言言えば済む話なのですが、実家の母のことを思い出してしまい、何となく心が重くなりそうで……」
子どもが園で「お正月は●●に行く」「どこにもいかない」などと話すことにより、事前にほかのママ友に知られることも珍しくないという。
「ママ友とのグループチャットでは、12月下旬、『今日で年内最終登園です。皆さん良いお年を』というような、少し早めの挨拶が飛び交いました。私は接客業をしているので、年末にもかかわらず働いていましたが、ほかのママから『まだ仕事があるんだね。お疲れさま』と労いのメッセージがきてうれしかったです。でも、心の中で『帰省について話を振らないでほしいな』と思ってました」
そんな琴美さんだが、昨年末、帰省しないというママたち数人で、忘年会のような飲み会を行う展開になったそうだ。
「グループチャットで、『年末年始はどうやって過ごすか』という話題になったんです。すると、あるママさんが、『私は帰省しないです。同じような人がいたら、子連れで飲みに行ける居酒屋に行きませんか』と声をかけてくれて。すると、ほかのママから『行きたい』という返信が書き込まれ、私も思い切って『行きたいです』と送りました。その中のママさんが、気さくな感じで『うち、両親が離婚していて、実家に行きづらいんだよ』と飲み会で話してくれ、思わず、『うちも。それで帰省していないんだ』と。それで、すぐに打ち解けました」
琴美さんは、こうした展開になったのはグループチャットのおかげだという。
「なかなか個別で話す機会がなくても、グループチャットだと『いつが空いてるので、一緒に行きませんか?』と誘いやすいのかもしれませんね。以前、ママ数人でランチに行った時、実家が近所で、母親とも仲良くしているママさんが多く、正直うらやましく感じていたのですが、自分と同じような境遇のママさんもいるんだってわかり、うれしかったですね」
LINEがぜんぶわかる本 2020年版
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2020-01-13 08:00:00Z
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